わたしの願い
運よく予鈴がなりその子が帰っていくとまわりはかわいいだの、俺がうらやましいだのずるいだの口にしたのを聞いて俺はまだドアのところに立ったままの藍沢さんをみた。
きっと傷ついてると思って。
まだ昨日転校してきたばっかりの俺でも藍沢さんが何か抱えているのがわかるくらいなのに、どうしてこうもみんな無神経なんだろう。
妹とずっと比べられながら生きてきたなんてきっとつらかっただろうなって。
藍沢さんはなにもなかったかのように自分の席に向かっていった。