わたしの願い
「それともどうせ授業終わったらお昼だし、さぼっちゃう?」
寺島くんのその言い方は、わたしには聞いてきてはいるけれど自分の中ではそのつもりだといってるみたいだった。
わたしは静かにうなずいた。
それをみた寺島くんは「あはは」と笑った。
なんてきれいな顔をして笑うんだろう。
寺島くんの笑った顔をみると安心感に包まれたような気分になる。
「ここだとみんな戻ってきちゃうしさ、屋上で話さない?あ、弁当とかもってる?」
「はい」
「じゃあ、もう弁当もっていっちゃお。俺、藍沢さんと話したいことたくさんあるんだ」
寺島くんはそういうと自分の鞄からお弁当箱をだしそのまま歩き出した。
わたしも慌ててランチバックをもち、そのあとを追った。