わたしの願い


「わたし、家族から嫌われてるんです。家族だけじゃなくて友達からも。はじめのうちはどうしたらわたしのことをみてくれるのかなって思って必死で。

勉強だって頑張ったし家事だって頑張って。ただ認めてほしかったんです」


なにも反応がなくて隣をみると寺島くんは真剣な顔でこっちをみてくれていた。

きっと口を挟まないで聞いてくれると思ってまた話し始める。


「でも、いつの間にか諦めてました。家族とはほとんど話せなくなって、わたしの名前さえ呼んでくれなくなって。

友達だって小学生のころは話せる子もいたけど、人見知りのせいもあって全然馴染めなくて。

いつの間にか友達を作ることさえ諦めてました。でも・・・」


そこで急に続きをいうのが怖くなって口を閉ざしてしまったわたしに


「でも?」


と優しく声をかけてくれた寺島くん。


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