わたしの願い


「いってきます」


いまだに誰からも返ってこないけれど、リビングをでたときに遥とお母さんの話し声が聞こえた。


「お姉ちゃんにまたとられた、わたし好きだったのに」


「大丈夫よ、付き合っても長続きしないわよあの子は」


「付き合ってること自体許せないの、絶対奪ってやる」



また思い出したくないことを思い出してしまった。

あのときのことを。


でも、あれは過去。いまは龍希くんのことが好きだから。

龍希くんはきっとわたしを愛してくれる。


そう信じたいと思った。

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