ねぇ、僕じゃダメ?
気が遠くなるような一週間を過ごし、桃田さんに会えるだけで寝起きは快適

とりあえず、合コンに行かないと。

黒のパンツに首もとが楽なTシャツに薄手のジャケット。

桜の咲く季節は決まって午後からは涼しくなる。

電車に乗って、二駅先のカラオケ店へ。

日曜の賑やかな街を歩き、カラオケ店に着くとどうやら僕が最後らしい。

考え事してゆっくり歩き過ぎたか。

「ごめん、遅くなった」

「最後に来るとかさすがですねー、タケさん」

ニヤニヤしながら嫌味の一つを溢す山池をスルーして、他のメンツと挨拶を交わす。

ルームへ入ってから、一人ずつ自己紹介を済ませ、名ばかりのカラオケがスタートした。

「ね、私尊くんの彼女に立候補してもいー?」

確か伊勢さんだっけ?下の名前忘れた。

「伊勢さん、モテるでしょ?」

「んー、どーかなぁー。尊くんは絶対モテるでしょ?
尊くん来た途端、みんなの目付き変わったもん。」

ハンターですか

目付き変わったとか、怖すぎだし。

僕より、目黒の方がクールでモテると思うけどなー。

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