ねぇ、僕じゃダメ?
変わってない。

あの頃と同じ陽だまりみたいな笑顔。

"桃田"ってことはまだ独身なのか。

「では、見学の前にお名前とご住所の記入お願いします。」

桃田さんは気付いてないのか?

まあ、高校生のときに比べたら体つきも顔つきも変わったかもしれない。


名前を記入し終わって桃田さんに渡す。

「、、、、ぁ」

小さく反応して、桃田さんは真っ直ぐに僕を見た。

ニコリと微笑んで、どこか懐かしそうに目を細めた。

「おめでとうございます。当館で式をして頂くおりには、私が担当させていただきます。」

「そのときはよろしくお願いします。」

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