ねぇ、僕じゃダメ?
何分たっただろうか。

重なっていた手がスルリと戻された。

貴女の温もりがもう恋しい。

宙ぶらりんになった僕の右手は、寂しさを覚えた。

「ごめんね。また変なとこ見せちゃって。吹っ切って、癒されに来たのに。また泣くなんて、、、」

「泣きたいときは泣いてください。何も出来ないけど、隣にいることは出来ます。」

桃田さんの視線が僕をとらえたとき、真っ赤になった目がわずかに動いた。

ドクン、、、

心臓が大きく跳ねて、僕の頬は一気に高揚した。

愛しい。

好きだ。

もう、好きなんだ。

貴女を見ただけで、貴女と視線がぶつかっただけで、僕の心臓は正常な機能を失う。

喉の奥がぎゅうぎゅうと熱い。

全身に稲妻が走ったみたいに痺れる。

こんな恋は初めてだ。

今までに感じたことのない感情が、次々と溢れ出してくる。

「ねぇ、また日曜に来てもいいかな?」

「えっ、、、?」

「モカちゃんに癒してもらいたくて。」

「あぁ、はい。じゃあ、同じ時間にここで待ってます。」

「うん。じゃあ、またね。鈴成くん、モカちゃん。」


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