新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
私の言葉を聞いた瞬間、皐月くんが目を見開く。
男らしいでっぱりのあるその喉が、ゴクリと鳴った気がした。
女の自分から誘うなんて、はしたないと思われただろうか。
だけど……きっと皐月くんなら、自然に、優しく受け入れてくれるんじゃないかって。そんなふうにも、思ってしまうのだ。
羞恥心でいっぱいの私はドキドキと胸を高鳴らせながら、もう彼の顔が見られなくてうつむいている。
すぐそばから、深く、息を吐く音が聞こえた。
そのため息にビクッと肩をはねさせた私の頭上から、想像とは違った声が降ってくる。
「……ダメだ。そういうことを、軽々しく言うな」
「え」
驚きのあまり、反射的に顔を上げた。
皐月くんはこちらを見ていなかった。ただなぜか、どこか苦しげに眉を寄せ、ひたすら私と目を合わせまいとするように斜め下を向いている。
「そういうのは……おまえは気にしなくていい。だからもう、そんなふうに、言うな」
頭を鈍器で殴られたかのような衝撃だった。
『軽々しく』なんて、言ったわけじゃない。
皐月くんのことが、大好きだから。もっと近づきたいって、思ったから。
その気持ちを、“宮坂 礼”を奥さんに選んでくれた彼は、受け止めてくれるんじゃないかって──心のどこかでそう期待したからこそ、あんな思いきったことを言えたのだ。
男らしいでっぱりのあるその喉が、ゴクリと鳴った気がした。
女の自分から誘うなんて、はしたないと思われただろうか。
だけど……きっと皐月くんなら、自然に、優しく受け入れてくれるんじゃないかって。そんなふうにも、思ってしまうのだ。
羞恥心でいっぱいの私はドキドキと胸を高鳴らせながら、もう彼の顔が見られなくてうつむいている。
すぐそばから、深く、息を吐く音が聞こえた。
そのため息にビクッと肩をはねさせた私の頭上から、想像とは違った声が降ってくる。
「……ダメだ。そういうことを、軽々しく言うな」
「え」
驚きのあまり、反射的に顔を上げた。
皐月くんはこちらを見ていなかった。ただなぜか、どこか苦しげに眉を寄せ、ひたすら私と目を合わせまいとするように斜め下を向いている。
「そういうのは……おまえは気にしなくていい。だからもう、そんなふうに、言うな」
頭を鈍器で殴られたかのような衝撃だった。
『軽々しく』なんて、言ったわけじゃない。
皐月くんのことが、大好きだから。もっと近づきたいって、思ったから。
その気持ちを、“宮坂 礼”を奥さんに選んでくれた彼は、受け止めてくれるんじゃないかって──心のどこかでそう期待したからこそ、あんな思いきったことを言えたのだ。