新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
「ああ。実はいきなりなんだけど、ちょっと出かけることになった」
「え?」
「実家の親たちが、今日こっちの方に来るらしい。昨日電話で会おうと言われて一旦断ったんだが、それなら家に直接行くからとまた連絡がきて……適当な言い訳で躱し続けるのも面倒だから、1度顔だけでも見せてくる」
皐月くんの親御さん……昨夜の電話のあと、そんな話になってたんだ。
彼がそうしてくれるのは、きっと、私のためだ。
彼のご両親のことすら覚えていない私を、会わなくてもいいようにするため。
その優しさが、うれしくて……今はひどく、苦しい。
「……そっか。ごめんね、私のせいで皐月くんが気を遣うことばかりで」
目を伏せながら言うと、皐月くんは首を横に振る。
「いや、俺が勝手にしたことだから礼が謝ることじゃない。それに、昼を一緒に食べたあたりで帰るつもりだから。少なくとも夕方には戻る」
そこまで言って、一旦言葉を切った皐月くんが続けた。
「せっかく休みが被ってる日だし、夕飯は外に食べに行こう。食べたいもの、考えておいてくれ」
話しながらこちらに向けられた彼の目が、私の反応を慎重に探っているようにも見えるのは、被害妄想だろうか。
私はそれを隠すように、ニッコリ笑顔を浮かべる。
「うん、わかった。楽しみにしてるね」
「え?」
「実家の親たちが、今日こっちの方に来るらしい。昨日電話で会おうと言われて一旦断ったんだが、それなら家に直接行くからとまた連絡がきて……適当な言い訳で躱し続けるのも面倒だから、1度顔だけでも見せてくる」
皐月くんの親御さん……昨夜の電話のあと、そんな話になってたんだ。
彼がそうしてくれるのは、きっと、私のためだ。
彼のご両親のことすら覚えていない私を、会わなくてもいいようにするため。
その優しさが、うれしくて……今はひどく、苦しい。
「……そっか。ごめんね、私のせいで皐月くんが気を遣うことばかりで」
目を伏せながら言うと、皐月くんは首を横に振る。
「いや、俺が勝手にしたことだから礼が謝ることじゃない。それに、昼を一緒に食べたあたりで帰るつもりだから。少なくとも夕方には戻る」
そこまで言って、一旦言葉を切った皐月くんが続けた。
「せっかく休みが被ってる日だし、夕飯は外に食べに行こう。食べたいもの、考えておいてくれ」
話しながらこちらに向けられた彼の目が、私の反応を慎重に探っているようにも見えるのは、被害妄想だろうか。
私はそれを隠すように、ニッコリ笑顔を浮かべる。
「うん、わかった。楽しみにしてるね」