新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
「……わかった。ほのかに連絡するのは、やめとく」



それでも、その感情を表に出すことはなく、素直にうなずく。

「ありがとう」と肩の力を抜いた皐月くんを見ながら、心の中の違和感はどうにも拭いされない。

……どうして、こんなふうに思ってしまうんだろう。

もしかしたら、皐月くんは……私に何かとても大きな隠し事をしているんじゃないか、なんて。



「トースト焼こうと思ってたけど、礼は?」

「あ、私も食べようかな」

「じゃあ、とりあえず2枚焼いておくか」

「うん、ありがと」



そんな言葉を交わしてから、洗面所に向かった。

鈍い頭痛が、気持ちをさらに沈ませる。

ドアを閉めて鏡で確認した自分の顔は、眉尻が下がったとても情けなくて頼りない表情をしていた。
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