新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
本当は、私は、あなたのことが好きです。
西田さんとのゴタゴタを解決してもらったあの日、皐月くんが「結婚しないか」と言ってくれたときよりもずっと前から、本当は大好きでした。
覚えているかはわからないけれど、前にお酒のせいで口を滑らせた「一生分好きになった人がいる」というのは、皐月くんのことだったの。
あのときはまさか、自分の苗字が“越智”になる未来なんて想像もしてなかったな。
愛されることはないとわかっていたけど、それでもうれしかった。皐月くんが、私のことを奥さん役に選んでくれたこと。
だから、あなたの話にうなずいてしまった。ここで私が断ったとしたら、もしかすると、皐月くんは他の女の人にも同じ提案をするのかもしれないと思ったから。そんなのは、耐えられないと思ったから。
この契約結婚は、本当は私のせいで最初から破綻していたの。でもそれは、私が黙ってさえいればいいと思ってた。
私の恋心なんて最初から存在しなくて、私と皐月くんは、夫婦に見せかけた同志みたいなもので。
そんなふうに振る舞うのは、同期でいたこれまでもしてきたことだから、ちゃんと全うできるはずだった。
普通の結婚とは違っていたって、どんな形でも好きな人と一緒にいられるんだから、幸せなんだって思ってた。
西田さんとのゴタゴタを解決してもらったあの日、皐月くんが「結婚しないか」と言ってくれたときよりもずっと前から、本当は大好きでした。
覚えているかはわからないけれど、前にお酒のせいで口を滑らせた「一生分好きになった人がいる」というのは、皐月くんのことだったの。
あのときはまさか、自分の苗字が“越智”になる未来なんて想像もしてなかったな。
愛されることはないとわかっていたけど、それでもうれしかった。皐月くんが、私のことを奥さん役に選んでくれたこと。
だから、あなたの話にうなずいてしまった。ここで私が断ったとしたら、もしかすると、皐月くんは他の女の人にも同じ提案をするのかもしれないと思ったから。そんなのは、耐えられないと思ったから。
この契約結婚は、本当は私のせいで最初から破綻していたの。でもそれは、私が黙ってさえいればいいと思ってた。
私の恋心なんて最初から存在しなくて、私と皐月くんは、夫婦に見せかけた同志みたいなもので。
そんなふうに振る舞うのは、同期でいたこれまでもしてきたことだから、ちゃんと全うできるはずだった。
普通の結婚とは違っていたって、どんな形でも好きな人と一緒にいられるんだから、幸せなんだって思ってた。