新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
改めて、じっと目の前にいる人物を観察してみる。

研修で顔を合わせていたときも、そしてさっき病室に入ってきたときも思ったことだけれど、背が高い。きっと180cmくらいはあると思う。

備え付けの小さな丸椅子ではずいぶん窮屈そうに見えて、なんだか申し訳ない。

ちなみに今日は土曜日らしく、今の彼はデニムに白いシャツとカジュアルな私服姿だ。五分袖から伸びる腕は意外と筋張っていてがっしりとしており、細身ではあるがそれなりに筋肉質であることがうかがえる。

そして、彼の外見で目を引くのはその整った顔立ちだ。
ワックスで整えられた短い黒髪の下にあるモデルや俳優のような小さな顔には、一重だけれどキツそうには見えない涼やかな瞳、通った鼻筋、薄い唇。

ハーフリムのスクエア型メガネが、知的そうな雰囲気をいっそう引き立てている。

いわゆる、塩顔イケメンっていうのかな。正直私は、濃いタイプの顔が好みではあるんだけど……研修で初めて見たときも、皐月くんのことは一目見てかっこいいなって思った覚えがある。

……まあ、実を言うと私、同期の中では他にちょっと気になる男子がいて……配属先はバラバラになったとはいえ、この先同期会とかで交流を深めていければいいな~なんて、淡い期待を抱いてたりもしてたんだよね。

だけどこうして皐月くんと結婚しているということは、その同期とは結局恋愛関係にならなかったということなのだろう。

うう、ドンマイ、22歳の私……。
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