新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
「タイミングとかお互いの意向もちゃんと話し合って、今すぐじゃなくていいから、その……皐月くんとの子どもが、欲しいです」



それは、ずっと胸の奥に隠し持っていた、私のとっておきの願望だ。

聞いた瞬間、皐月くんが目をみはって動きを止めた。

けれどもすぐさまその瞳に剣呑な光をたたえ、妖しく口もとを緩める。



「それは、つまり」



着ているサマーニットの裾から大きな手が侵入して、するりと下腹を撫でた。



「子どもができるようなことを、して欲しいという誘惑か?」



不埒な手のひらの動きに、期待する胸が自然と呼吸を浅くさせる。

自分からこんなこと言っちゃって、はしたなかっただろうか。

それでも、私を見つめる彼はとてもうれしそうで──恥ずかしさでいっぱいではあるけれど、後悔はしなかった。

私はこくりと唾を飲み込むと、思いきって再び彼の首もとへと抱きついた。



「……うん。私、早く皐月くんでいっぱいになりたい」



たくましい首筋に頬を擦り寄せながら、小さくつぶやく。

次の瞬間、皐月くんが何の躊躇いもなく私の身体を抱えて立ち上がった。

驚いた私は彼にしがみつく腕に力を込め、とっさに身体を密着させる。



「わあ! 皐月くん?!」

「さすがにここだと、身体痛めるかもしれないから。続きは俺の部屋」
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