新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
「礼」
名前を呼びながら、私が持っていたグラスを取り上げて再びテーブルに置いてしまう。
見下ろされる瞳にともった熱にドキリとした瞬間、皐月くんの綺麗な顔が近づいてきて──唇が、重なった。
「ん……」
やわらかな唇を擦り合わせながら、ルームウェアにしている肌触りのいいサテン生地のショートパンツから伸びる太ももを、不届きな手が意味ありげに撫でる。
深く絡ませ合う前に顔が一度離れたタイミングで、頬の紅潮を自覚している私は、思わずボソリと漏らした。
「……皐月くんって、意外とえっちだよね」
すると彼は心外だとばかりに眉を上げ、口もとを緩める。
「そう言われる方が意外だけど。別にこれは、男として普通じゃないか?」
話しながらも、私の太ももを這う手のひらの動きは止まらない。
気づけば今の私は肘かけに腰をもたれさせ、完全に身体を皐月くんと向かい合わせる形になっている。
うう、と目を泳がせて、また歯切れ悪く答えた。
「だって、皐月くんに普通に彼女いたことあるのは知ってたけど……でも何て言うか、釣った魚にえさはやらないタイプだと思ってたから……」
過去の恋愛のことを引き合いに出すのはマナー違反だと理解しつつ、ボソボソとつぶやく。
彼は気分を害した様子もなく、むしろ楽しげに私の顔を覗き込んだ。
「まあ、昔のことについては異論ないかな。少なくとも今の俺は、かわいい奥さんに逃げられないよう必死ですよ」
「嘘だぁ……『必死』って、たとえば?」
おどけた調子の皐月くんに思わず訊ねたら、まったく困った素振りもなく即座に返される。
名前を呼びながら、私が持っていたグラスを取り上げて再びテーブルに置いてしまう。
見下ろされる瞳にともった熱にドキリとした瞬間、皐月くんの綺麗な顔が近づいてきて──唇が、重なった。
「ん……」
やわらかな唇を擦り合わせながら、ルームウェアにしている肌触りのいいサテン生地のショートパンツから伸びる太ももを、不届きな手が意味ありげに撫でる。
深く絡ませ合う前に顔が一度離れたタイミングで、頬の紅潮を自覚している私は、思わずボソリと漏らした。
「……皐月くんって、意外とえっちだよね」
すると彼は心外だとばかりに眉を上げ、口もとを緩める。
「そう言われる方が意外だけど。別にこれは、男として普通じゃないか?」
話しながらも、私の太ももを這う手のひらの動きは止まらない。
気づけば今の私は肘かけに腰をもたれさせ、完全に身体を皐月くんと向かい合わせる形になっている。
うう、と目を泳がせて、また歯切れ悪く答えた。
「だって、皐月くんに普通に彼女いたことあるのは知ってたけど……でも何て言うか、釣った魚にえさはやらないタイプだと思ってたから……」
過去の恋愛のことを引き合いに出すのはマナー違反だと理解しつつ、ボソボソとつぶやく。
彼は気分を害した様子もなく、むしろ楽しげに私の顔を覗き込んだ。
「まあ、昔のことについては異論ないかな。少なくとも今の俺は、かわいい奥さんに逃げられないよう必死ですよ」
「嘘だぁ……『必死』って、たとえば?」
おどけた調子の皐月くんに思わず訊ねたら、まったく困った素振りもなく即座に返される。