新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
息を呑んで見つめる先にあったのは──記憶が途切れる直前、入行式でヘトヘトになった身体をダイブさせた、あのベッドだった。
「……ねぇ、皐月くん……」
「ん?」
思わずつぶやいた私に、皐月くんが反応する。
自分から口を開いたくせに言葉に詰まって、散々躊躇ったのち、続けた。
「その、私たちって……夜は、別々の部屋で寝てるの?」
上目遣いにおそるおそる尋ねた私を見下ろす彼が、一瞬動きを止める。
けれどもすぐに、なんでもないような様子で答えた。
「そうだよ。お互い、同じ部屋に自分以外の誰かがいると寝られないからって、今までずっとそうしてる」
「そう……なんだ」
「ああ。どうかしたか?」
尋ねる彼は真顔で、今こんなにも心を乱している私の方が、おかしいような気がしてくる。
結局私は、それ以上の言葉を飲み込んだ。
「……ううん、なんでもない」
「そうか? じゃあとりあえず、荷物片づけるか」
「うん」
彼の言葉にうなずき、一緒にリビングへと戻る。
置きっぱなしだった荷物を運ぶことだけ皐月くんに手伝ってもらって、私はひとりで自室にこもり、のろのろと片づけ始めた。
「……ねぇ、皐月くん……」
「ん?」
思わずつぶやいた私に、皐月くんが反応する。
自分から口を開いたくせに言葉に詰まって、散々躊躇ったのち、続けた。
「その、私たちって……夜は、別々の部屋で寝てるの?」
上目遣いにおそるおそる尋ねた私を見下ろす彼が、一瞬動きを止める。
けれどもすぐに、なんでもないような様子で答えた。
「そうだよ。お互い、同じ部屋に自分以外の誰かがいると寝られないからって、今までずっとそうしてる」
「そう……なんだ」
「ああ。どうかしたか?」
尋ねる彼は真顔で、今こんなにも心を乱している私の方が、おかしいような気がしてくる。
結局私は、それ以上の言葉を飲み込んだ。
「……ううん、なんでもない」
「そうか? じゃあとりあえず、荷物片づけるか」
「うん」
彼の言葉にうなずき、一緒にリビングへと戻る。
置きっぱなしだった荷物を運ぶことだけ皐月くんに手伝ってもらって、私はひとりで自室にこもり、のろのろと片づけ始めた。