新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
……皐月くんと私、別々の部屋で寝てるんだ。
ペタリとフローリングの床に座り込みながら、自分のベッドに目を向ける。
間違いなく、就職祝いにと親が奮発して買ってくれた、カントリー調がかわいい白のチェストベッドだ。
当時すごく気に入って大事に使おうと決めたもののはずなのに、今この状況で目にした私は、なんとも言えない気持ちになってしまっている。
いつか……自分が結婚したら。当然のように、旦那さんとは同じベッド──そうでなくても同じ寝室で、眠るんだと思っていた。
少なくとも、22歳の“私”はそう考えていたけれど……いざ皐月くんと結婚した“私”は、また別の考えに変わっていたらしい。
『お互い、同じ部屋に自分以外の誰かがいると寝られないからって、今までずっとそうしてる』
つい先ほど聞いたばかりの言葉が、脳内によみがえる。
彼は『お互い』と言っていた。つまり、私もそれに賛同していたということで。
さっきまでは、同じ部屋で寝起きすることを予想して動揺でいっぱいだったくせに──そうではないと知った今、私は安心するどころか、胸にぽっかりと穴が空いてしまったような寂寥感や虚しさを覚えている。
矛盾していると、わかっていた。わかっているのに、どうにも止められない。
心のモヤモヤをなんとか放出してしまいたくて、深いため息を吐く。
そうして私は、ひとまず荷物の片づけを済ませなければと集中し始めた。
ペタリとフローリングの床に座り込みながら、自分のベッドに目を向ける。
間違いなく、就職祝いにと親が奮発して買ってくれた、カントリー調がかわいい白のチェストベッドだ。
当時すごく気に入って大事に使おうと決めたもののはずなのに、今この状況で目にした私は、なんとも言えない気持ちになってしまっている。
いつか……自分が結婚したら。当然のように、旦那さんとは同じベッド──そうでなくても同じ寝室で、眠るんだと思っていた。
少なくとも、22歳の“私”はそう考えていたけれど……いざ皐月くんと結婚した“私”は、また別の考えに変わっていたらしい。
『お互い、同じ部屋に自分以外の誰かがいると寝られないからって、今までずっとそうしてる』
つい先ほど聞いたばかりの言葉が、脳内によみがえる。
彼は『お互い』と言っていた。つまり、私もそれに賛同していたということで。
さっきまでは、同じ部屋で寝起きすることを予想して動揺でいっぱいだったくせに──そうではないと知った今、私は安心するどころか、胸にぽっかりと穴が空いてしまったような寂寥感や虚しさを覚えている。
矛盾していると、わかっていた。わかっているのに、どうにも止められない。
心のモヤモヤをなんとか放出してしまいたくて、深いため息を吐く。
そうして私は、ひとまず荷物の片づけを済ませなければと集中し始めた。