*続*あまい・甘い・あま~い香りに誘われて
虎太朗は私の手を繋ぎ黙ったまま歩き出した。

ひとけのない月明かりだけでぼんやり辺りが見渡せる公園に入っていく。

「こた……ろっ…!」

乱暴に押し付けられた唇。

すぐに離れてはまた押し付けられ次第に深く重なっていく。


不意に虎太朗の手がスカートに入り込み私の太股をなでた。

「っ!!」

「葵、、、、葵を抱きたい……
全部、葵の全部俺だけのものにしたい、、、、」

絞り出すような声でそう言って虎太朗は私から離れた。

「湊が気になる?」

泣きそうな顔をした虎太朗が私を見つめている。

あわてて左右に首をふる。

「虎太朗……そんな顔しないで、、、、」

「ごめん、こんなところに連れ込んで。
少し、頭冷やすよ。
帰ろう。送っていく」

そっと握られた手は、私がよく知る暖かさがなく、知らないひとのようにひんやりしていて、虎太朗の心のようで悲しくなった。












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