*続*あまい・甘い・あま~い香りに誘われて
翌日、大学で顔を会わせた湊は、ピリッとした雰囲気の俺に苦笑いした。

「虎太朗、俺はお前とずっと友達でいるつもりだ。
あれこれ言い訳話をするのは好きじゃない。
でも、そんな泣きそうな顔されてると俺も困る。むしろ、泣きたいのは俺なんだけどな」

「……」

「夕方から時間つくれ。
飲みに行くぞ、虎太朗」

「湊…俺お前に惚れるかも」

「遠慮しとく。
 俺は女がいいから」

俺たちは授業が終わると、大学側の居酒屋に向かった。
葵には昼休みメールを打った。

『ごめん、湊と飲みに行くから今日は会えない。週末はゆっくりデートしよう』

電話はかけれなかった。

冷静になりきれていない俺は、葵の声が怖くて聞けない。

すぐに葵から返信が届く。

『わかった。飲みすぎないようにね。
週末、楽しみにしてるね』

『俺も楽しみにしてる』




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