*続*あまい・甘い・あま~い香りに誘われて
翌日から、湊の隣にはたえず違う女がいるようになった。

どの女も湊の彼女ではないし、一度寝た女とは二度と一緒にいることはなかった。


葵の店にもいつも違う女をつれて現れるようになった。

来る度に、湊は「 虎太朗の大事な彼女」と葵を女たちに紹介するらしい。

葵は俺に
「湊くん、虎太朗の友達だけあって優しい人たね。
早く、大事な一人が見つかるといいね」
と心配していた。

「そうだな」

俺は葵をぎゅっと抱き締めて頬をぺろりとなめる。

二人できたはじめての旅行。

約束を破りたいからと旅行の許可をもらいに葵の両親に頭を下げた。

お父さんは目を丸くして驚いたあと大笑いした。
「葵と五年も付き合ってて、本当に今まで約束を守ってくれてたんだ。いやあ、まいったな。虎太朗くんがそんなに一途で真面目だなんて思わなかったよ。

悪かったね。

葵を本当に大事にしてくれてありがとう。

葵をずっと頼むよ虎太朗くん。

私たち以上に愛情を注いで幸せにしてくれ」


ようやく、葵を俺だけのものにした



一生はなさない

俺のたった一人の運命の相手


「ずっと俺だけを好きでいろよ。

 愛してる、葵

 俺だけの大事な人」

腕の中で瞳を閉じる葵に俺は一晩中ささやいた。


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