【社内公認】疑似夫婦-私たち(今のところはまだ)やましくありません!-
廊下のど真ん中で立ち止まり、私の顔を見た森場くんの顔は真剣そのもの。よくよく見ると、彼は少し頬を上気させて、興奮していて、何か抑えきれないパッションを放っていた。
「な……なに……?」
昔話をするにしてはいささかテンションが高すぎる。こんなに真剣な顔で一体何を言われるのか。一ミリも想像がつかなくて、緊張しながら待っていると。
彼は言った。
「俺…………ちょっと、ほんとにいいこと思いついたかもしんない」
「え?」
「パートナーと使うベッド……体の弛緩……安らぎ。……うん、いいアイデアな気がしてきた!」
森場くんは何かをぼそぼそ口走ったかと思うと、私の両肩を力強く叩いた。
「ありがとう吉澤さん! 俺、ちょっともう一回斧田さんと相談してくるわ」
「え!」
「あと情報収集に他部署回ってくるから、先に戻ってて!」
「……えぇーっ」
言葉の途中で森場くんはもう走り出していて、気付けばどんどん背中が遠ざかっていた。呼び止められるような隙はなく、彼と思い出話をしたかった私の気持ちは宙ぶらりんになる。
「も……森場くん……」
ちょっと切ないけど、お役に立てたならよかったです……。
「な……なに……?」
昔話をするにしてはいささかテンションが高すぎる。こんなに真剣な顔で一体何を言われるのか。一ミリも想像がつかなくて、緊張しながら待っていると。
彼は言った。
「俺…………ちょっと、ほんとにいいこと思いついたかもしんない」
「え?」
「パートナーと使うベッド……体の弛緩……安らぎ。……うん、いいアイデアな気がしてきた!」
森場くんは何かをぼそぼそ口走ったかと思うと、私の両肩を力強く叩いた。
「ありがとう吉澤さん! 俺、ちょっともう一回斧田さんと相談してくるわ」
「え!」
「あと情報収集に他部署回ってくるから、先に戻ってて!」
「……えぇーっ」
言葉の途中で森場くんはもう走り出していて、気付けばどんどん背中が遠ざかっていた。呼び止められるような隙はなく、彼と思い出話をしたかった私の気持ちは宙ぶらりんになる。
「も……森場くん……」
ちょっと切ないけど、お役に立てたならよかったです……。