【社内公認】疑似夫婦-私たち(今のところはまだ)やましくありません!-
またしても先陣を切ったのは湯川さんだった。彼女は先ほどよりもよっぽど困り切った顔で問いかける。
「えっ、ごめん森場……どういうこと? なっちゃんも愕然としてるけど……」
「あ! 意味わからないですよね! すみません!」
周囲の異様な空気に気付いたらしい森場くんが大慌てで弁解を始める。顔の前で大きく手を振りながら、メンバーと私の顔を交互に見て。
「実は、アイデアがぽんぽん浮かぶようになったキッカケが、吉澤さんとプロトタイプを一緒に試したことなんです。恥ずかしながら俺、恋愛はここんとこご無沙汰で……彼女とかもしばらくいなくて。女性と二人でベッドに入ることがなかったから、正直〝こんな感じかぁ〟って感動して……」
「森場くん……!?」
またそんな誤解を招きそうな言い方して……!
今すぐ彼を黙らせたくて手で口を塞いでしまおうか迷っていたら、意外にも斧田さんが神妙なトーンで応じた。
「それで?」
(〝それで〟!?)
森場くんもふざけている様子は一切なく、斧田さんと同じ神妙なトーンで答える。
「はい。吉澤さんに製品開発のために協力してもらえたらと思っています。夫婦やカップルユースを意識して〝セミダブル〟をメインにしてたのに、俺自身がユーザーのインサイトを理解しきれていないことがずっとネックでした。だから……ねっ!」
(〝ねっ〟!?)
森場くんはキラキラした笑顔を私に向けて同意を促してくる。
「えっ、ごめん森場……どういうこと? なっちゃんも愕然としてるけど……」
「あ! 意味わからないですよね! すみません!」
周囲の異様な空気に気付いたらしい森場くんが大慌てで弁解を始める。顔の前で大きく手を振りながら、メンバーと私の顔を交互に見て。
「実は、アイデアがぽんぽん浮かぶようになったキッカケが、吉澤さんとプロトタイプを一緒に試したことなんです。恥ずかしながら俺、恋愛はここんとこご無沙汰で……彼女とかもしばらくいなくて。女性と二人でベッドに入ることがなかったから、正直〝こんな感じかぁ〟って感動して……」
「森場くん……!?」
またそんな誤解を招きそうな言い方して……!
今すぐ彼を黙らせたくて手で口を塞いでしまおうか迷っていたら、意外にも斧田さんが神妙なトーンで応じた。
「それで?」
(〝それで〟!?)
森場くんもふざけている様子は一切なく、斧田さんと同じ神妙なトーンで答える。
「はい。吉澤さんに製品開発のために協力してもらえたらと思っています。夫婦やカップルユースを意識して〝セミダブル〟をメインにしてたのに、俺自身がユーザーのインサイトを理解しきれていないことがずっとネックでした。だから……ねっ!」
(〝ねっ〟!?)
森場くんはキラキラした笑顔を私に向けて同意を促してくる。