可愛がりたい、溺愛したい。
幼なじみの依生くん。



「ほーの、起きて」



わたしの朝はこの声を聞いてから始まる。



眠いし、ベッドから起きたくないし、学校に行きたくないしって毎朝思うのに。


「ほら、起きないと帆乃の可愛い寝顔たくさん見ちゃうよ?」



ささやくような甘い声に鼓膜を揺さぶられて、眠っていた意識が自然と戻ってきて、閉じていた目をゆっくり開ける。


真っ先に飛び込んできたのは、幼なじみの整った顔。



「……い、おくん?」


まだ眠っていたせいで意識がはっきりしていない中でも幼なじみの……依生くんの綺麗な顔はいつもと変わらず健在。



「そーだよ。
僕以外が帆乃の寝顔見ていいわけないでしょ?」



フッと笑いながら、優しくわたしの頬をそっと撫でる。

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