可愛がりたい、溺愛したい。



***


家に帰ってから、雨はさらにひどくなって今は雷が鳴っていて、窓の外には稲光も見える。


今は晩ご飯を終えてキッチンで洗い物をしているところ。


雷の音が鳴るたびに、身体をビクッと震わせておびえる。


別に雷が苦手なわけじゃない。
ただ、いきなり音が鳴るのはこわいわけで。



「雷こわい?」


お皿を洗っていると、いきなりお腹のあたりに依生くんの腕が回ってきて後ろから抱きしめられた。



「こ、こわくないよ」


「うそつき。
さっきから身体ビクビクしてるのに」


依生くんが2人でいるとき甘いのは今に始まったことじゃないけれど、


最近はもっと増しているような気がする。



ドキドキするからやめてほしいって思うのに、
気づけばもう依生くんとこうして2人でいられるのも、あと数日になっているんだって思うとさびしさに襲われる。

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