可愛がりたい、溺愛したい。



スッと顎に依生くんの指先が添えられて、
簡単にクイッと上げられて、バッチリ目があった。


「っ…、やっ……」



「なんでそんな可愛いのかな。
僕の理性よく頑張ってる、ブツッと切れそうだけど」


「……?」



「こんな可愛い姿他の男が見たら嫉妬で気が狂いそうになる」



頭を抱える動作をしながら、わたしから距離を取る依生くん。



こうして朝ごはんの時間は終わり。


いったん部屋に戻って制服に着替える。



学校に行くときのわたしは、家にいるときのわたしとは少しだけ違う。



顔を隠すような黒ぶちの大きなレンズのメガネをかけて、おまけに前髪も目にかかるくらいに伸ばして。


胸より下に伸ばしたロングの髪は耳より下のほうで2つに結んで。


制服のスカートは規定されている長さ。

膝より少し上くらい。

< 11 / 360 >

この作品をシェア

pagetop