可愛がりたい、溺愛したい。
***
「はぁ……」
湯船にちゃぽんと浸かってボーッと天井を眺める。
あれから1時間くらい経っていると思う。
いつもお風呂はゆっくりで、これくらい時間がかかってしまうから最後に湯船に浸かる頃には暑さで頭がボーッとしてる。
特に今は夏だから余計。
静かに浸かっていると、外からさっきよりもひどい雨音と雷の落ちる音が聞こえる。
天気予報では夜はもっとひどくなるって言ってたような気がする。
今もゴロゴロ鳴っている音に少しおびえながら、
そろそろ出るか……と思い、湯船から立ち上がると。
ガシャーンッと大きな音がかなり近くで聞こえて
フッと明かりが消えてしまった。
う、うそ……停電?
突然真っ暗になって、周りも足元も何があるかわからない状態なので、とりあえずここから出たいと思い湯船から出た。