可愛がりたい、溺愛したい。
足元は何も見えない状態で、少し動くと何かが足に当たった。
しかも水気があるせいで、下がツルツルしていて滑りやすい。
真っ暗な中、なんとかお風呂場の出口を手探りで探していると。
「ほーの、大丈夫?」
「っ!?」
いきなり脱衣所から依生くんの声が聞こえてきてびっくりして、お風呂場の扉を開ける手を止めた。
お風呂場の扉越しに、スマホの明かりらしきものを手に持っているであろう依生くんがいる。
ま、まずい……!
今のわたしは何も身にまとっていないわけで。
真っ暗な状態なら見えないだろうけど、依生くんは明かりを持っているから
このままこちらに来られるのは非常にまずい…!
「あっ、えっと、だ、大丈夫!!」
「まだお風呂から出てない?」
「い、今出るところ!」
助けてもらいたい反面、ここから出ていってほしかったり、軽くパニック状態。