可愛がりたい、溺愛したい。
すぐに視界に飛び込んできたのは、真っ白な大きめのTシャツ。
こ、これは……。
とりあえず何も着ていない状態じゃなくてよかったとホッとしたのもつかの間。
わたしをジーっと見ながら依生くんが。
「それ、僕のやつ着せたけどよかった?
着替えそばにあったけど、勝手につけたりするのあれかと思って」
もう無理……。
恥ずかしすぎて、顔から火が出そうな勢い。
完全に見られてしまったと思うと、もうお嫁にいけない…なんてどうでもいいことが浮かぶ。
そもそも今のこの格好だって、なかなかきわどくて恥ずかしいってもんじゃない。
「帆乃?大丈夫?」
「だ、大丈夫……っ!」
お願いだから、平然とした態度で接してこないで…!と心の中で叫ぶ。
「部屋まで戻れる?
それとも僕が運ぼうか?」
「ひぇっ、ちょっ……!」
まだ返事をしていないのに、お姫さま抱っこしようと近づいてくるから拒むのに必死。