可愛がりたい、溺愛したい。



ベッドに降ろされたわたしは、すかさず身体にシーツをくるめて、依生くんをジーッとにらむ。


「それでにらんでるつもり?
可愛いなあ、逆効果なのに」


本当なら今こうして同じ空間にいることすら恥ずかしいっていうのに。



「み、見たでしょ……!」


「何を?」


「うぅ……っ、言わせないでよ」


すると、フッと軽く笑いながら、
わたしの頭をポンポンと撫でて。


「そんなに恥ずかしかった?」


「恥ずかしいどころじゃないよ……!」


「見ても減るもんじゃないのに?」


「依生くんのバカ……!
乙女心っていうのはそんな簡単なものじゃないの!」


「へー、難しいね乙女心」


ニコニコ笑っていることから、きっと悪いことをしたとは思ってなさそう。


いや実際、倒れたところを助けてもらったから悪いことはしてないんだけども…!

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