可愛がりたい、溺愛したい。
迫ってくる依生くんは変わらずで。
「こうして一緒に居られる時間もう少ないのに?」
「っ、」
「帆乃を少しでも近くに感じていたいって思うのはダメ?」
拒否すれば、わたしがオーケーを出すように仕向けてくるやり方が…ねだり方がずるい。
こんな言い方されたらノーと言えるわけがない。
「ダメ……じゃない……よ」
ほら、簡単にうまく丸められてしまう。
「……ふっ、そーだよね。
帆乃ならそう言ってくれると思った」
満足そうに笑った依生くんは、ひと晩中わたしを離さずに眠った。
もちろん、わたしはドキドキと戦いながら眠れるわけもなく。
翌日寝不足で朝を迎えた。