可愛がりたい、溺愛したい。
じつは夏休みに入ってから明日香ちゃんに全然会えていないので、会うのがとても楽しみ。
たくさん話したいこともあるしなぁとワクワクしているわたしとは対照的に、だるそうに隣を歩く依生くん。
「勉強会なんてあいつら2人でやってればいーのに。なんで僕と帆乃の邪魔するかな」
「そんなこと言わないで。
花野井くんに久しぶりに会えるの嬉しくないの?」
「嬉しくないよ。
逆に僕が涼介に会えるの嬉しがってたら気持ち悪いでしょ」
「そうかな。
わたしは明日香ちゃんに会えるの嬉しいけどなぁ」
「僕と帆乃の次元を一緒にしちゃダメ。
全然違うから」
2人でこんな会話をしている間に、花野井くんのお家の前に着いた。
かなり大きな一軒家。
じつは花野井くんのお家にお邪魔するのは初めてで、少しだけ緊張してる。
依生くんは来たことある……よね。