可愛がりたい、溺愛したい。
すると、今まで黙っていた依生くんが急に立ち上がって、わたしのほうへ近づいてきて。
「ねー、涼介。
誰の許可とって帆乃と出かけてんの」
花野井くんと明日香ちゃんから引き離すように、かなり強い力で腕を引かれた。
「いや、なんでお前の許可いるんだよ」
「はぁ…不覚だった、寝なきゃよかった。
なんなら、帆乃の手繋いで離れないようにしとけばよかった」
ため息をついて、かなり落ち込んでいる様子。
「まあ、そう落ち込むな安心しろ。
俺は明日香にしか興味ないから」
「なんかその言い方腹立つね。
帆乃が魅力ないみたいに聞こえる」
「屁理屈並べるなよ。
帆乃ちゃんに魅力がないなんて言ってないだろ?素直でいい子だし」
困り果てた顔をしながら、依生くんの機嫌をなだめようとする花野井くん。
「帆乃のこと褒めていいの僕だけだよ、わかってる?」