可愛がりたい、溺愛したい。
「バレるとかバレないとかそういう問題じゃなくて…」
「んー、頑固だなあ。
だったら力づくでいくしかない?」
急に片腕をつかまれて、力に逆らえず身体が葉月くんのほうへ寄せられる。
「受けてくれなきゃこのままキスするよ?」
「なっ……」
「力じゃかなわないってわかるよね?」
「そんなのずるいよ…」
どう抗っても、ぜったいに折れてくれない。
折れるどころか、わたしをうまく脅してイエスしか言わせない。
「なんとでも言ってよ。
これが俺のやり方だから」
わたしが返事をしないで黙り込むと、少しバカにしたような口調で
「帆乃先輩はさー、ただの幼なじみに何を執着してんの?言いなりになってさ。
幼なじみのくせに変だよ。三崎先輩だって帆乃先輩のこと好きだったらとっくに幼なじみやめて彼女にしてるよ。
それができないってことは、ただの幼なじみとしか見てないんだよ」