可愛がりたい、溺愛したい。



そして、最後にわたしの瞳をしっかり見ながら。



「僕は帆乃が嘘なんてつかないって信じてるから」


まるでわたしの心を見透かしたような言葉に一瞬ヒヤリとした。



「じゃあバイトがんばって」


そうひとこと残して、頭をポンポンと軽く撫でて依生くんは教室をあとにした。



ズキッと胸が痛くて。


嘘ついてごめんなさい…と申し訳ない気持ちを抱えたまま、葉月くんが待つ場所へと足を向けた。

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