可愛がりたい、溺愛したい。



***


「あー、やっと来た。遅いよ先輩」


この前連れてこられた旧校舎の一室について中に入ると、ドンッとえらそうにソファに座る葉月くんがいる。


とても勉強する気があるとは思えない態度っていうか…。


「職員室に寄って、今日の課題のプリントを宇佐美先生からもらってきてたから」


とりあえず受け取ったプリントを机の上に置くと、つまらなさそうな顔をしてプリントに手を伸ばして。



「へー、真面目だね。
ベンキョーなんて面白くないのに」


少しプリントに目を通すと、興味がなさそうにそのまま机の上に戻した。


「ねー、先輩。
俺とちょっとお話ししよーよ」


「やだ、ダメ。
勉強しないなら帰るよ」


わたしがちょっと強気に言い返してみれば。



「そんな生意気な口きいていーの?
今こうして2人っきりでいること三崎先輩にバラしてもいーんだよ?」


すぐこうやって脅してくるから勘弁してほしい。

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