可愛がりたい、溺愛したい。



「そうやって脅さないで勉強して!」


「ちぇー、つまんないの」


と言いながら、なんとか教材をカバンから出してくれた。


わたしは葉月くんが座っている隣に少し間を開けて座る。


「ちゃんとやらないと追試受からないよ?」


いちおう宇佐美先生から追試の範囲を聞いてきたけど、かなり広かったし。


それにちゃんとやってもらわないと、わたしまで先生に怒られちゃうし。



「範囲結構広いけど大丈夫かな」


「大丈夫じゃない?
ってか、先輩俺のこと舐めすぎ。そこまでバカじゃないし」


何その自信過剰な発言は…!

こっちがせっかく心配してあげてるのに。


ってか、バカじゃないなら追試なんかに引っかからないでよと心の中で思う。



「そんなに自信あるなら1人で勉強してよ…!」


「やだー。
帆乃先輩がベンキョー教えてくれないなら追試も白紙で出すけどいーの?」


な、なんでわたしが脅される立場なの!?
困るのは葉月くんもじゃん…!

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