可愛がりたい、溺愛したい。
そんなこんなで初日はなんとか無事に終わり。
今は職員室にてわたしだけが、今日やった分のプリントと報告を宇佐美先生にしているところ。
「今日から早速ありがとうね〜!さすが芦名さん!きちんと指導してくれたのね」
「いや、あはは……ま、まあ」
どちらかというと、わたしのほうが指導されていたというか……。
途中からなぜか、わたしが葉月くんに教えてもらうという立場逆転になったことは言えないので、苦笑いで返す。
「じゃあこのまま数日よろしくね?」
「は、はい」
軽く頭を下げて職員室を出ると、壁にもたれかかってスマホをいじっている葉月くんがいた。
なんだ、もう帰ったのかと思ってた。
職員室に報告あるから先に帰っててって言っといたのに。
わたしを見つけると、すぐにスマホをポケットにしまって。
「じゃあ帰ろ。
遅くなったから家まで送るよ」
「え、あっ、大丈夫。1人で帰れるから」