可愛がりたい、溺愛したい。
画面に表示されている名前と、耳から入ってきた名前が同じだからドキリとした。
内容に目を通す前に、とっさに画面を暗くして手で隠した。
「わかりやすいね。
なんて来てたの?心配してくれてた?」
「さ、さっきからなんでそんなふうに突っかかってくるの…」
ほんの少し前までは、優しい一面もあったのに。
「わからせてあげたいから」
「な、何を……」
「俺がどれだけ帆乃先輩に本気なのか」
「なに…それ」
「先輩を手に入れるには三崎先輩っていう存在が邪魔してるから。
だからさー、さっさと忘れちゃえばいーじゃん。叶わない恋なんてするだけ無駄だよ」
言い返したいけど、叶わない恋なんて無駄。
この言葉が引っかかっていて声が出ない。
だって、どう頑張ったって、依生くんのわたしを見る対象が幼なじみから変わることは一生ないから。