可愛がりたい、溺愛したい。
この冷めたような、怒気を含んだ声を聞くと、さらに目を合わせることができない。
手の震えが止まらなくて、身体をゆっくり起こしながら、はだけたブラウスを直さず、そのまま手でギュッとつかむ。
何も答えられずにいると、葉月くんが当たり前のようにはっきりと
「2人っきりだったら……まあ、起こっちゃいけないことも起こっちゃいますよね?」
いま完全にゼロからマイナスになった。
ぜんぶ、こうなることが目的だったんだ。
「俺、帆乃先輩のこと本気なんで。
どんな卑怯な手使ってでも、あんたから奪い取ってみせるから」
はじめて、葉月くんがこわくて
……憎く感じた。