可愛がりたい、溺愛したい。



笑みがこぼれて抱きしめ返すと、明日香ちゃんは依生くんのほうを自慢げに見ながら。


「ほら〜、いま帆乃ちゃんを独占してるのはわたしだも〜ん。いいでしょ、羨ましいでしょ〜?」



2人ともいつもこんな感じのやり取りをしていて、たぶんすごく相性が悪いのかな。



すると、依生くんが無言のまま席から立ち上がって。



「……帆乃に触れていいのは僕だけなんだから」



わたしの腕をグイッとつかんで、あっという間に依生くんの大きな身体に包み込まれた。



「帆乃もダメでしょ。僕以外に触れさせるなんて」


「だって明日香ちゃんは女の子だし…」



「そんなのカンケーないよ。
帆乃に触れるのは僕だけでいーの」



ギュッと抱きしめられると、甘い匂いが鼻をくすぐって、ますますドキドキする。

< 18 / 360 >

この作品をシェア

pagetop