可愛がりたい、溺愛したい。
再び鳴ったアラームの音にハッとして時計を見ると、悠長に自分の世界に浸っている場合じゃなかった。
急いで着替えを済ませて、朝ごはんを食べるためリビングへ。
「あら、おはよう。
最近ギリギリまで寝てるのね〜」
席に着くと、すぐにお母さんが朝ごはんを用意してくれた。
とりあえず時間がないので、出された朝ごはんを口の中に詰め込んでいると。
「依生くんはどうしたのよ?
ここ最近ウチに来ないし。何かあったの?」
お母さんが不思議そうな顔をしながら、何の悪気もなさそうに聞いてきた。
「あれだけ毎日帆乃のこと気にかけてくれてたのに。ケンカでもしたの?最近姿見かけないし」
「べ、別に……何もないよ。
忙しいんじゃないかな……わたしもよくわかんない」
「ふーん、そう。
帆乃でも知らないのね〜。じゃあお母さんから結依ちゃんに聞いてみようか?」
「だ、ダメ……!
それだけはやめて……」