可愛がりたい、溺愛したい。



わたしの心配をよそに葉月くんはさらに。


「それと、さっきから帆乃先輩を地味とか、けなすようなこと言ってますけど。

みんな知らないだけで、めちゃくちゃかわいいのに」



「ちょ、ちょっと…そんなこと言ったら余計に目立っちゃうから…!」


後ろから、葉月くんだけに聞こえる声で止めるけど、聞く耳を全く持ってくれず。



「俺は帆乃先輩が誰よりもかわいいってこと知ってるから」


またそんなこと言って…。

変な噂されたらどうするの……!



「あと、人のことをバカにして笑う女の人には魅力はこれっぽいも感じないですよ。

見た目がどれだけかわいくても、人としてどうかと俺は思いますけどね」


わたしが言い返さなかったことを全て葉月くんが
かばって言ってくれてる。



本当によくわかんない子……。


わたしと依生くんを引き離すために卑怯な企てをしたくせに。


甘え上手で、女の子みんなを虜にしてしまうような甘い顔をして、やることはずる賢くて。

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