可愛がりたい、溺愛したい。
そして到着した場所は……
「え、遊園地?」
「先輩好きそうかなーって」
「とか言って葉月くんが遊びたいだけなんじゃないの?」
「えー、俺は先輩みたいにお子ちゃまじゃないし」
「なっ、失礼だよそれ!
葉月くんのほうが年齢的にはお子ちゃまなくせに!」
遊園地に来るのは小学校の遠足以来かもしれない。
それくらい久しぶり。
幼い頃のワクワクした気持ちと似たものがあって、心をくすぐられる。
すごく楽しそうだなぁ。
「まあ、今だけでもお子ちゃまになって楽しんじゃえばいーじゃん?
嫌なことなんて忘れて」
「べつに嫌なことなんて何もない……もん」
「はいはい。
んじゃ、中入ろーか」
「う、うん」
チケットを買って、中に入ってみると休みの日ってこともあって人がすごい。
家族連れが多い感じ。