可愛がりたい、溺愛したい。
またこうやって、違う一面を見せてくるから。
いつも自信ありげなのに、今は弱そうに見える。
話し方、表情すべてが。
……少なくとも、そうさせてしまっているのはわたしが原因。
「それに、俺が想像してた以上に、2人の関係は他のやつらが入る隙がないくらい、お互いを求めあってるから」
「それは……違うよ。
だって葉月くんも言ったじゃん……。簡単に崩れて、結局その程度の関係だったって」
自分で言って、またしても傷ついた。
傷口に塩を塗ったみたいに自分の言葉が胸にしみる。
わたしの言葉に反応して、抱きしめていた身体を少し離して、顔をしっかり見てきた。
そして
「……ほら。
三崎先輩のことになると、そんな切なげな表情になる」
大きな手が、そっとわたしの頬に触れた。
「こんなに、帆乃先輩の感情をかき乱せるのは、三崎先輩だけなんだね」