可愛がりたい、溺愛したい。
━━━━デジャヴ……
あまりの衝撃に頭の中に浮かんだ単語。
まさにこの状況にふさわしいと言ってもいいくらい。
「へー、意外と早かったんですね。
あんまり遅かったら帆乃先輩のこと襲っちゃおうかと思ったのに」
またしても、まんまと企みにはまったのかと思った。
どうして
わたしがここにいることを
……依生くんが知ってるの?
目の前にいる依生くんは、息を切らしながら、雨のせいでずぶ濡れの状態。
「帆乃先輩、安心してよ。
前とは違うから。って言っても、完全に状況が前と一緒すぎるんだけどさー」
「な、なんで……依生くんがここに……」
「俺が呼んだんだよ。先輩がシャワー浴びてる間にスマホちょこっと借りて三崎先輩に電話した」
「……なんで、そんなこと」
「んー、2人に正直になってもらおうと思って」
予想外な答えが返ってきて、声が出なかった。