可愛がりたい、溺愛したい。
依生くんの気持ち。
***
━━━━バタンッ……
あれから何も言わず葉月くんの部屋から連れ出された。
外に出てみれば、さっきまでひどかった雨は止んでいて、曇り空。
そして今は、依生くんの部屋に連れて行かれ、扉が閉まり、何も言わず後ろから抱きしめられた。
「あ……あの、依生く……」
「……なんで泣いてたの」
「え……」
「葉月クンに何かされたんじゃなくて、僕のせいなんでしょ?」
「っ、」
「……なんでか言ってよ」
もうわかんないことだらけ。
とことんわたしの心をかき乱してくるから。
気があるわけでもなくて、幼なじみだって思ってるくせに。
それなのに、平気でわたしに触れたりキスしてきたり。
「依生くんは……わたしのこと幼なじみとしか見てないんでしょ……?」
頭の中でいろんなことがグルグル回り出して、感情のコントロールが利かなくなってきた。