可愛がりたい、溺愛したい。
また、前みたいな結末でおわる予感がする。
だって、前と同じように"ごめん"って言いたそうな顔をしているから……。
「……ごめん」
あぁ……やっぱり何年たっても、この恋は叶うことはなかった。
いちばん聞きたくなかった。
結末は見えていたはずなのに、いざ目の当たりにしてみればダメージが想像していたよりかなりある。
瞳が涙でいっぱいになって、目尻からスッと流れ落ちる。
泣き顔なんか見せたくないと思うのに、それに反して涙が止まる気配はない。
「……泣かないで」
そんな無茶なこと言わないで……。
そんな優しい手つきで涙を拭わないで……。
「無理……だよ……っ。
だっていまわたし依生くんに振られたんだよ……?ここで笑顔になれるほど、わたしは大人じゃない……っ」
泣きながら、強く言い放ったと同時。
「━━━僕だって、大人じゃない」
優しく唇を塞がれた。