可愛がりたい、溺愛したい。



語尾のほうは消えてしまいそうな声。



「前に……一度だけ帆乃が好きだって言ってくれた時に……。

素直にその気持ちがすごく嬉しかった。帆乃も僕と同じ気持ちでいてくれたんだって。

小さい頃からずっと大切で、可愛くて愛おしくて。帆乃のぜんぶが僕のものになったらいいのにっていつも思ってた」



「それなら……どうしてごめんなんて……」



「告白されて幼なじみを超えた途端、自分の抑えが利かなくなったから。

ずっと手に入れたいと思ってた帆乃が、自分を好きだって言ってくれる姿見て、すぐにでも自分のものにしたくなって。

自分でも感じたことない余裕のなさに襲われて。
完全に自分を見失った状態で帆乃に無理やりキスして、泣かせたから……」



さらに依生くんは話し続ける。



「かっこ悪いけど、帆乃のことになると理性ってやつがセーブできない。

もし、帆乃が幼なじみじゃなくなったら自分の欲望のままに求めそうで、壊すと思ったから」

< 251 / 360 >

この作品をシェア

pagetop