可愛がりたい、溺愛したい。
語尾のほうは消えてしまいそうな声。
「前に……一度だけ帆乃が好きだって言ってくれた時に……。
素直にその気持ちがすごく嬉しかった。帆乃も僕と同じ気持ちでいてくれたんだって。
小さい頃からずっと大切で、可愛くて愛おしくて。帆乃のぜんぶが僕のものになったらいいのにっていつも思ってた」
「それなら……どうしてごめんなんて……」
「告白されて幼なじみを超えた途端、自分の抑えが利かなくなったから。
ずっと手に入れたいと思ってた帆乃が、自分を好きだって言ってくれる姿見て、すぐにでも自分のものにしたくなって。
自分でも感じたことない余裕のなさに襲われて。
完全に自分を見失った状態で帆乃に無理やりキスして、泣かせたから……」
さらに依生くんは話し続ける。
「かっこ悪いけど、帆乃のことになると理性ってやつがセーブできない。
もし、帆乃が幼なじみじゃなくなったら自分の欲望のままに求めそうで、壊すと思ったから」