可愛がりたい、溺愛したい。
「あの時の帆乃積極的で大胆だったね。
すごく色っぽかったよ」
「っ、うっ……早く忘れてよぉ……!」
思い出しただけで顔から火が出そう。
「やだよ、忘れない。
もっかい意識失うくらいになりたい」
「それはダメ…!心配しちゃうよ」
本気で言ってるとは思わないけど、冗談でもそんな物騒なこと言わないでほしい。
「帆乃に心配してもらえるならいくらでも倒れたい」
「た、倒れたいって……ダメって言ってるのに!」
わたしだけがこんな必死になってるのに、依生くんはその様子をからかってる。
「だって帆乃にかまってほしーもん」
「倒れなくてもかまうもん…」
「へー、じゃあ着替え終わったらかまってくれる?」
「う、うん」
ここで軽く返事をするんじゃなかったって後悔するとは、この時のわたしは知るわけない。
「んじゃ着替える」
「ちょ、ちょっとまって!
わたし部屋出るから……!」