可愛がりたい、溺愛したい。
ただでさえ抱きしめられてドキドキするのに、この状況はさらにまずい…!!
異常なくらい心臓がバクバク音を立てていて、壊れちゃうんじゃないかってくらい。
ドキドキして死んじゃうってまさにこのことかもしれない。
「なんで帆乃のほうが恥ずかしがるの?
恥ずかしいの僕のほうじゃない?」
「うっ……だ、だって見慣れてないし……!」
余裕がなさすぎてあたふたしてばかり。
「ほんと反応がいちいちかわいい。
だからイジワルしたくなるんだよなあ」
「も、もう心臓がもたないよ…!」
「……ふっ、わかったわかった。
じゃあ今日はこのへんにしといてあげる」
ようやく解放されて、服を着てくれた。
着替えている間は依生くんのほうに背中を向けて、部屋の隅っこに逃げていた。