可愛がりたい、溺愛したい。



「ん、着替え終わったよ」


その声にホッとして、振り向こうとしたら、すでに後ろに気配があって。


「今度は帆乃の番ね」


「……へ?」


意味がわからず間抜けな声を出している間にも、背後から依生くんの手がわたしの服の裾を捲り上げている。


「な、なんでわたしまで!?」


ストップをかけるために、手を押さえつけるけど、力で敵いそうになくて焦ってしまう。



「帆乃ってバカなの?」


え、なぜ服を脱がされそうになって拒否したらバカって言われなきゃいけないの…!?



「今着てるやつ、誰のかわかってんの?」


「え、これわたしの服……」


……じゃない。

そうだ、雨に濡れて葉月くんの家でシャワー借りて、着替えを借りたんだった。


つまり、これはわたしのじゃない。



「他の男のもの身につけてるのムカつく。
だから今すぐここで脱いで」


「い、今ここで……!?
それは無理だからいったん自分の家帰って……」


「そんなの待てない、
嫉妬で気が狂いそうだから」

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